ミルクティー日録

ワタシが世界の中心だ

大きな声で「大好きだよ」って

4月22日、濵田崇裕初座長舞台「歌喜劇・市場三郎〜温泉宿の恋〜」が幕を開けました。

 
 
 
“歌喜劇”という初めて聞く言葉に「なにそれ?」と疑問でいっぱいでした(笑)が、ラジオで濵田くんが言っていた「吉本新喜劇に歌を足した感じ」という言葉をもとに、開演前から胸を高鳴らせていました。
 
 
 
私が入ったのは4月23、28、30日の3公演。あんなに楽しかった時間を過ごしたのはいつ振りだろうか…という具合にとっても楽しいひとときでした。私の少ない脳みそのキャパで、これから覚えていることをつらつらと書いていこうと思います。
 
 
 
いざ綴ろうと思っても手が進まない。それは多分市場三郎を観劇したファンになら分かるはずじゃないのかな…この舞台は『観た者にしか分からない何か』がありました。強いて言うなら「ただただ面白かった」それだけです。
 
 
 
勢いよく舞台上に飛び出してきた濵田崇裕演じる市場三郎はとても純情な青年でした。5年前に『浮気したらぶっころすぞい!』とだけ言い残してドイツへ飛び立って行ってから全く連絡をよこさない彼女・ララの事を想い続けひたすら三田運送興行で働く三郎。そんな三田運送興行での慰安旅行先でララそっくりな動物の飼育員さんに恋をします。そして、その夜に行ったスナックで働いているキャサリン、慰安旅行最終日に出会った芸者、その3人は全て同一人物でした。行く先々で彼女に出会った三郎は、彼女がお金に困っていることを知ります。慰安旅行後も文通を続け、しばらく経った頃に「私たちの将来の話がしたい」と言われ、三郎はララそっくりの彼女の元へ “100万円を持って” 訪れる…までは良かったんだけど。渡した直後に言われた言葉は「これで家族が賄える」。なんと、ララには旦那さんに加えてふたりの息子が居ました…
 
 
 
この文面だけでは三郎はただの不幸人。父親には厳しく育てられ逃げ出すようにして市場を飛び出し、職場では叱られる毎日。5年ぶりに帰ってきたララは別人のよう(というか別人)になって帰って来、帰って来たと思ったら日帰りでドイツに帰ってしまう。とことん不幸な三郎。全くもってハッピーエンドではありませんでした…(笑)それでもこの世界ではハッピーエンドになってしまうのだから不思議だったなあ。
 
 
 
キャストの皆さんは、素人の私が聞いても本当に綺麗だと思うような歌を聞かせてくれました。熱いスポットライトを浴びながら、2時間分のお芝居をする事だけでも難しいことだと思うのに、それに加えて歌、しかも全てアカペラで。この座組のチームワークに終始感動していました。それは、舞台中だけではなくて、開演前に流れたVTRも込みで、です。「市場三郎は濵ちゃんにしかできない」「濵ちゃん大好き」そんなキャストさんからの声に感動しっぱなしの私(笑)最後は濵田くんを囲んでわちゃわちゃ…ある方は濵田くんを担ぎ上げ、ある方は濵田くんの靴を脱がし、ある方は濵田くんをくすぐり…皆さんの笑顔がキラキラと輝いていて…本当に素敵な座組だと心の底から思いました。
 
 
 
この舞台の見どころは?と聞かれたら観劇された方のほとんどの方が答えるであろう「ホットパンツ」
 
 
 
いや、だからホットパンツって何者!?観劇した私でさえもわからない謎の存在ホットパンツ(笑)結局妖精なの?なんなの?いや、分かりません。わからない方がいい気も…
 
 
 
そんな存在がわからないホットパンツだけれども、この舞台で最も鍵を握っているのはこの「ホットパンツ」だと思います。
 
 
 
最後の最後、三郎がララにもララそっくりのあの彼女にも離れられてしまって、絶望の淵に立たされている時。サザエをもってスッと現れた彼が言った一言
 
 
 
「せっかくここまで来たんだから、温泉にでも浸かって帰ったら?それで全てを水に流すの、温泉だけに」
 
 
 
人生そういうことです。生きていれば、信じられないような1日だってある。まさにこの三郎のように。でも、そんなことにいちいち躓いてたらキリがないんです。そんなこともあるだろう、明日はもっといい日になるんだ。そうやって嫌な出来事を水に流すことが、この世の中を生きていく上で最も大切で、この舞台が伝えたかったことなのかな…と。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
改めて。濵田くん、初座長おめでとう。そして、お疲れ様でした。多くの人々の心を温め、優しい笑いに包んでくれたあなたの演技を、この座組を胸に、三郎のように、笑って前に進もうと思います。
 
 
 
f:id:O1O17:20160515031513p:image