ミルクティー日録

ワタシが世界の中心だ

シルエットがジャニーズWESTのモノになった

と、私は勘違いしていた。

 

 

 

『シルエット』それは、関西ジャニーズを応援するファンなら知らない人はいないであろう、彼らの名曲だ。

 

 

 

私は、シルエットのCD化を望んではいなかった。

 

 

 

確かに、現ジャニーズWESTのメンバーも、シルエットを’’関西ジュニア’’として歌ってきた。でも、だからってジャニーズWESTのモノになることだけは嫌だった。未来が保障されていない、いつ、誰が、仲間から離脱するかもわからない、そんな不安定な世界を生きていた彼らの、様々な思いが詰まった曲。松竹座という小さな、でも沢山の夢と希望、挫折と涙が詰まったあの箱で歌い継がれてきた曲。私はそれを大切にしてほしかった。この先もずっと、後輩たちに歌い継いで欲しかった。’’関西ジュニア’’の曲として。

 

「いいMVになった」と、誰かが言っていた。それでも私は受け入れられなかった。受け入れたくなかった。私の心は’’関西ジュニア’’の歌うシルエットの大きさに縛られていたんだと思う。

 

初めて、ジャニーズWESTのシルエットを聞いたとき、思い浮かべたのはやっぱり、B.A.DやVeteran、濵田くんや7WEST、なにきんのいる関西ジュニアだった。あの時あの場所で歌い、見たあの景色にはもう戻れないという切なさ、輝いていたあの頃の甘酸っぱい思い出と、その儚さ、胸が締め付けられた。きっと、シルエットを歌っていた関西ジュニア本人たちも、彼らに追い風を吹かせていたファンも、あの儚く切ない、大切な一瞬を切り取っていた。だから、私はシルエットを聞くたびに懐古してしまう。やっぱり私はジャニーズWESTのシルエットを受け入れられない。そう思った。でも、そんな私の想いは2番の歌詞によって覆された。

 

’’まだ慣れない駅のホーム 電車が運んでくる風が

どこか懐かしい街のにおい 思い出 頬に触れた

あの頃撮った君の写真 どれもみな笑ってる

伝えた言葉を まだ覚えてる?

夕日の中に溶ける 僕らのシルエット

少し短い君の影

時が流れても 変わらぬもの 僕に教えてくれたんだ

君の大好きな歌 街に響き 僕らずっと口ずさんでた

同じ空の下 いつも微笑んで歩いてた’’

 

あの時、関西ジュニアとファンが切り取った同じ景色は確かに存在したし、「まだ言えなくて残っているこの気持ち届けなきゃ 大切なことは君がいること」と大切な人に伝え合ったあの刻を、彼らは覚えていた。事実は時が経っても変わらないんだ。そう気づいたときに、ふと「私は『シルエット』がジャニーズWESTのモノになったと勘違いしていた」と思った。流星くんが「名義上ジャニーズWESTとして出すけど、あの曲は僕ら含めた関西ジュニアの曲だ」と言っていた意味がようやく分かった。これは、当時の関西ジュニアの想いも、ジャニーズWESTから今の関西ジュニアへの想い、そして、未来の関西ジュニアへの想いも込められていたのだ。

 

でもやっぱり、過去形の歌詞には弱い。きっとこの曲は男性と女性のことを歌っている曲なはずだ。でもそのことに関してはハッキリとしていない。それは、聞き手である私たちが、私たちの思い描くようにシルエットに色を入れられる、ということだ。濵田担である私は、このシルエットをBOYS色に染めてしまう。きっとこの先もそうなることだろう。しかし、ジャニーズWESTのシルエットは過去を懐かしむだけではなく、前に進もうとする彼らの想いが乗せられている。過去にこだわるのもたまにはいいけど、今、この瞬間を彼らには楽しんでほしいと心から思った。それと同時に、私は新しいシルエットを少しずつ、本当に少しずつだけど受け入れられるようになっている気がする。あの頃の彼らが、あの頃のファンが、今の彼らに追い風を吹かせていると信じて。過去のシルエットも、今のシルエットも、未来のシルエットも、全部全部、関西ジュニアとファンの宝物だ。